- 2001.05.02 いくらか分かりやすい話
- 2001.05.02 四つの対応策
- 2001.05.20 PNGのメリット・デメリット
- 2001.05.02 技術的な情報
- 2001.07.16 ありがち質問 問答集 (FAQ)
- 2000.08.19 ソフトウェア対応状況
- 2001.04.02 通信業界の反応
- 2000.03.15 Unisysさんに聞きました!
はじめに
このサイトでは、GIF にかわる新画像フォーマットである、静止画像の PNG と、動画像の MNG の紹介をしています。
これ以降の文では PNG と MNG を略して単に PNG と書いている事もあります。PNG に当てはまる利点は MNG にもそのまま当てはまります。
つぎに
文体がカタイ、と言われたので、多少、やんわりムードの文体に。
ページがデカくなってきたので、項目ごとに分割しようかとも思うけど、面倒くさくてどうにも…
概略
現在、WWWブラウザで利用できる画像形式は三種類有ります。GIF、JPEG、そしてPNG/MNGです。
このうち、GIF は LZW 法と呼ばれる情報圧縮技術を利用していますが、現在これは米 UNISYS 社の特許となっています。これを根拠に、GIF(より正確には LZW 法)を採用するメーカーに対して高額のロイヤルティを要求しているのです。
あなたのWWWブラウザ(IEとかネスケとか諸々)も当然例外ではなくて、Microsoft や Netscape Communications などは、UNISYS に対して、桁違いに高額な特許のロイヤルティを支払っているのです。その金額は、当然ですがユーザーであるあなたに荷担されています。
事の顛末
元々は、UNISYS は、LZW 法は無料で使ってよい、という方針でいました。そこで、かつてのアメリカの大手パソコン通信局「CompuServe」が、標準の画像ファイル形式 GIF を作るときに、この LZW 法を使ったのです。その後インターネットの普及に伴いWWWが誕生し、やがて画像をWebページ上で表示できるようにしたときも、面倒はやっぱり嫌ですから、既に普及していた、このGIFを何となくそのまま採用してしまったようです。
ところが、インターネットの普及と共に、この LZW 法の普及を見たところで、UNISYS の態度は豹変しました。特許に対するロイヤルティを要求してきたのです。当時GIFの代わりになるものが無く、今さらGIFの対応を止めるわけにも行かなかった事情から、ブラウザメーカは仕方なく UNISYS にロイヤルティを支払ってしまったようです。
これで味をしめた UNISYS は、更に最近になって、今度は UNISYS が認めているソフトウェア以外(フリーソフト系は当然ながら全滅)を使って作ったLZW法(≒GIF)を使っている Webページ制作者に対しても、破格のロイヤルティを要求する方針を打ち出しました(その値、なんと5000ドル(約60万円))。あなたが非ライセンスな GIF をページに張り付けただけで、あなたには UNISYS に対して、なかなかナイスな金額を払わなければならない義務が発生しちゃいます。
しかも、UNISYS が認めているソフトウェアを使って作ったGIFであっても、確認の手間を省くために、念のためロイヤルティを支払うことを推奨しているという現状もあります(もちろん義務ではない。勘違いはなさいませんよう)。ちなみに、元々GIFファイルには、そのファイルを作ったソフトの名前などは記録しないのが普通です。よって、正確に確認するすべがないのです。
だいたい、画像を作る作業というものが全てがライセンス済みソフトで事足りれば良いのですが、こういう物は大抵使いづらく、フリーソフトやシェアウェアの方が勝手が良かったりするわけです。そういうものを一度でも介してしまったGIFファイルは、やはり UNISYS に対して対価を支払わねばならない対象となってしまいます。それが5000ドルなんです。
GIFに変わるもの
こんな無茶苦茶がまかり通ってしまうと、インターネットの普及にとって大きな障害となります。そもそも、そこまでして GIF を使いつづけるメリットはあるのでしょうか? 自作のWebページを人に見てもらいたいという、単に崇高な思いを実現するためだけにすら、UNISYS にシャレにならない程の大金を支払わねばならないのでしょうか? 単に趣味でやってるWebページで、画像ファイルなんかに因縁付けられて $5000 も搾取されることを、堪え忍ばねばならないのでしょうか? 答えは NO です。
時代はすでに GIF を求めていません。そこで、GIF に代わって使え、そして GIF の使いづらい点を改良し性能を上げ、さらに誰にもロイヤルティを支払わなくて済む新しい画像フォーマットが出来ました。そんなステキなものが、PNG (ピン または ピング) と、MNG (ミンまたはミング) です。
PNG は、WWW の標準化を行なう団体 W3C で作られた国際標準で、しかも ISO 標準規格としての審議も行なわれています(ISO/IEC 15948)。PNG は世界の標準なのです。
PNG は既に Internet Explorer 4 以降と Netscape Communicator 4.04 以降、MacMosaic や XMosaic の最新版など、主要製品のほぼ全てで採用され、すぐに利用できる状態になっています。既に過去の互換性のために渋々 GIF を大金を出して使い、PNG の利用をためらうような時代は終わったのです。我々は、真に自由なインターネット環境を獲得すべく、努力をすることが出来るのです。インターネットはみんなのものですから、インターネットの普及に伴い、誰かが理不尽な理由でボロ儲けするようなことがあってはなりません。それは不公平なことです。我々は、このような UNISYS の姿勢に対し、断固反対の、しかし建設的である姿勢を取り続けます。
このような不当な金の動きを止めるためには、利用者の協力が必要です。GIF を少しずつ廃し、PNG/MNG を採用、やがて JPEG や PNG/MNG 等のフリーでパブリックなものだけで画像を構成するようにする。たったこれだけの努力で、UNISYS に不当な収益を与えることがなくなるのです。延いては、安価なインターネット環境、自由なインターネット環境が実現できるようになるのです。
深刻な問題
そんな事があるなら、GIFを使うのを止めれば良いではないか。または、UNISYSにライセンスされたソフトで作ったGIFだけを使えばよいではないか。確かにそうなのですが、最近になり、更に深刻な問題が出てきました。Windows 2000 です。かねてより、Internet Explorer の表示機能を使ったソフトは、GIF 画像が表示できてしまうため、GIFを使う使わないに関らず、UNISYS とのライセンスが必須でした。それでも、この IE の機能さえ使わなければ、問題の回避ができたのです。
ところが、Windows 2000 は、コモンダイアログボックスで、大きいアイコン/小さいアイコン/一覧/詳細/縮小版という5つのファイル表示形態が選べます。この縮小版の場合、なんとGIFがサムネイル表示されます。これが何を意味するかというと、Windows 2000 では、ファイルを扱うソフトすべてはIEのコンポーネントを使ってファイルを開いているということになる、つまり Windows 2000 用に作ったあらゆるソフトウェアは、UNISYS に対してロイヤルティを支払う義務を背負うことになった、ということです。C だろうが、VB だろうが、はたまた Delphi でも同じことです。この点は留意せねばなりません。
ただ、夢も希望も無いかといえば案外そうでもなく、noLZW.DLL という、Windows 2000 のコモンダイアログで「縮小版」を選択できないようにするライブラリを公開している方がおられます。ご本人はシャレだと書かれていますが、根本的な問題が解決するまでは、このライブラリが手放せなくなる可能性はありますね。
但し、このネタには反論というか、別の解釈があります。多少は夢と希望がありそうです。
いくらか分かりやすい話
要するに、UNISYS の言い分はこうです。Web で GIF や、LZW アルゴリズムを用いた画像などを使うときは、パテント(特許)契約を結んだ会社のソフトウェアを購入してソレを使うか、さもなくば UNISYS にシコタマお金を支払いなさい。
パテント(特許)契約を結んだ会社のソフトウェアとは、UNISYSのサイトで紹介されているメーカーの作ったソフトウェアということで、メジャーどころでは Adobe Photoshop や JASC Paintshop などがあります。当然高いです。かといって、UNISYS とのWebサイトLZWライセンス契約は、最低 $5000(約60万円) と、これまた暴利なわけです。
もう少し安ければ可愛げがあるものを、これではあまりに高すぎるわけです。しかも、Windows などではまだ何とかなりますが、FreeBSD などの UNIX や Linux 等では、基本的にフリーソフトで全体が構成されていますから、問題は深刻な訳です(フリーで配布するものに $5000 もの大金を支払う気前のいい人などいるわけがない)。そこで、早速登場したのが、我らの救い神、PNG というわけです。PNGは、ファイル圧縮で有名な zip 形式と同じ圧縮アルゴリズムを用いています。これは非常にゆるいライセンスにて公開されており、将来的にも多額のお金を要求される恐れはありません。
四つの対応策
この問題に対応するには、四つの方法があります。あなたは、この内の必ずどれかを選択することになるでしょう。
PNGを使って得られるメリット
PNGを使って受けるデメリット
PNGを使う上での割り切りポイント
技術的情報
PNGやMNGに限らず、Webからファイルを扱うためには、.htaccess というファイルを編集する必要があります。初心者には難しかろうという配慮からか、大抵のプロバイダでは適当に作られたものが最初から用意されていますが、気の利いた設定がされていないことも多いですね。場合によっては、.htaccessが無い(≒使えない)ところもあるようです。
.htaccess は、ファイルの種類と拡張子を設定することで、WWWブラウザに対して、それはどんな種類のファイルなのか、を教えてあげる事ができるのです。では編集をやってみましょう。なお、ファイルのアップロード/ダウンロードなどの話はここでは触れません。分からない人は分かる人に聞くか、本でお調べください(もっとも、既にページをお持ちの方なら、その程度はおわかりかとは思いますが)。
ファイルを使うためには、.htaccess に次の行をそれぞれ追加しましょう。
PNGは静止画像なのでimageになり、MNGは動画なのでvideoになります。
また、現在MNGのサブタイプ名はx-mngとなっていますが、これも将来的にはmngになり、全体でvideo/mngになります。対応ソフトウェアを作ろうという人は、両方に対応することが望ましいでしょう。
この説明で分からない場合、お使いのプロバイダにお問い合わせください。
ありがち質問の問答集(量が多いです。必要なものだけ読むのが良いでしょう)
目次
PNGの設計者達も、当然ながら、異なるフォーマットへの移行は今回が最初で最後のチャンスであることを認識しているわけです。12. 付録: 理論的根拠
12.1. なぜ新ファイルフォーマットなのか?
別の画像フォーマットは本当に必要なのか? 我々はそうだと信じている。 GIFはもはや自由に使うことは出来無いし、いかなる他の一般的に使われているフォーマットも、それを直接交換できない。それは下のより多くのディティールで議論される。 私達は、もしかすると特許未取得だった圧縮スキームを持つGIFという既存のフォーマットの順応化を使ったかもしれない。しかし、これはとにかく、新しいコードを必要としてしまう; それは完全に新規のファイルフォーマットよりずっと実装しにくいのだ(PNGは、いずれにせよ必要とされる圧縮エンジンを除いて、実装するのに簡単であるように設計されている)。私達は、これが、GIFの知られている制限のうちのいくつかをフィックスする、新しいフォーマットを設計する最良の機会であると思う。
ソフトウェア対応状況
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通信業界の反応